プロesportsプレイヤーになろうとしてもスポーツゲームアプリでは無理ゲーな理由「ウイイレ,FIFAモバイルではプロゲーマーになれない!?」
お疲れ様です。De:Lです。
さて、今回は昨今話題の
esports
について。
そもそもesportsって何か皆さんご存じですかね?
「eスポーツ(esports)」とは、「エレクトロニック・スポーツ」の略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称。
と定義されていますが、2000年に「esports」という単語が誕生し、今まで歴史を作ってきました。
各国にJesuのような団体及び組織が存在し、その方々の活躍もあり、esportsは一大産業へと成長しました。
そんなesportsの世界で、中心人物となるのはもちろん選手たち。
その選手、”プロeスポーツプレイヤー”にはどうすればなれるのでしょうか。
そして、その”プロ”の定義とはなにか
最終的には、スポーツゲームアプリではそのプロが存在しにくい理由を解説していきます。
プロesportsプレイヤーとは
definitions
2000年以降はしばらく、”プロゲーマー”という呼称がメジャーで、プロesportsプレイヤーという言葉自体が鳴りを潜めていましたね。
現在でも、定義上は
”プロゲーマー”
という呼称が正しいようです。
その定義の中身が変化していて
プロゲーマーとは、対戦型ゲーム「esports」の大会などで賞金を稼いだり報酬をもらって出場したりするなど、ゲームをプレイすることで生計を立てている人のことです。スポンサー企業がバックアップするプロチームに所属し、大会で優勝するなどして賞金を稼ぎ、チームに貢献することで報酬を獲得します。
まぁ、つまるところ、
”ゲームで生計を立てる”
ここがポイントのようです。
またこれ以外にも、具体的なプロライセンスも存在し、前述のJesuが発行しているようです。
持っていることで、プロであることが明確化され、Jesu主催の特定の大会に出場できます。
消費者庁とも積極的にやり取りを行う準公的機関として、esportsの発展に寄与しているということですね。
Jesu公認プロライセンス制度のポイントは3点存在し、
詳しいプロライセンスに関する規約等は以下のページを参照してください。
現在、Jesuによって認められているライセンス認定タイトルは以下の15タイトル。
プロゲーマーになるには
how to be
実は、プロゲーマー(プロesportsプレイヤー)になるのに必ず経なければならない過程は一切ありません。
学歴、年齢、国籍、性別なににもとらわれず、ただ実力主義な世界とも言えるでしょう。
基本的にはesports大会に出場し、好成績を収める。
これにつきるようです。
そうすれば、プロのゲーミングチームからスカウトを受けたり、企業がスポンサードしてくれたりと、生計を立てるための道が開けます。
最近では、大きな大会で活躍した選手に、財団等が補助をして、選手育成する場面も良く見受けます。
一方で昨今は、そのプロゲーマーを目指すための専門学校も存在します。
今回はその中でも、先ほど引用で登場した”東京デザインテクノロジーセンター専門学校”を例にとってみようと思います。
東京デザインテクノロジーセンター専門学校(以下TECH.C.)では全部で23の専攻が存在する専門学校で、
全国各地に存在する先端技術系の専門職を教育する機関が統合したものの一部のようです。
TECH.Cではそれらの専攻を大まかに分野で分け、esports分野では二つの専攻が設けられています。
プロマネージメント専攻の方は”高度専門士”と言って、専門学校で修了者に対して渡す学位のようなものです。
これを持っていると、文科省が指定している専修学校の卒業生に限って、なんと大学院への入学資格になります。
名前の通り、esportsチームのマネジメントが主な仕事となるようです。
マネタイズ、動画編集技術、web制作といった分野の専門知識を学びます。
一方で、プロゲーマー専攻では”専門士”と言って、高度専門士の一つ下の学位に当たります。
これを持っていると、大学への3年次編入等の資格が得られるようです。
プロゲーマー専攻とは言え、プレイヤーのみを育成するのではなく、
コーチやストリーマーなどのesportsを取り巻く多種多様なスキルを学べるようです。
(高度)専門士については、下の文部科学省のリンクから見てください。
スポーツゲームアプリではプロになれない理由
reason
割りとネガティブなタイトルだと思うんですが、未来の話は僕もわかりません。
もしかすると、スポーツゲームアプリでプロになっている選手もいるかもしれません。
しかし、現状のプロesports業界の流れや、文化成長論、リアルスポーツとの兼ね合いなどから
アプリゲームではプロを目指すのには非常に厳しい道のりになることであろう理由を
いくつかのポイントで見ていこうと思います。
ここまで、esportsのジャンル別での言及は避けてきましたが、実は今回の記事でポイントなのはここ。
一括りにesportsと言ってもたくさんの種類があります。
今回はこの中でも、
リアルスポーツ系(スポーツゲーム)
このジャンルの、それも
スポーツゲーム”アプリ”。つまりモバイル型のスポーツゲーム。
モバイル型のリアルスポーツゲームと言っても、いくつかありますが、やはり現在人気のゲームというと、
ウイニングイレブンモバイル
と言っていいでしょう。近年は2019年の「eJリーグ」を皮切りに、
今年2021年も同様の大会が開かれることが決定し、予選が行われています。
このゲーム以外にも、プロ野球スピリッツやFIFAモバイルなどのいくつかのリアルスポーツアプリが存在します。
現状ではこれらのリアルスポーツゲームアプリはesportsとして認められつつあります。
しかし、これらのアプリがesportsタイトルとして認められるかは非常に難しい議論であると思われます。
1.競技の公平性
first reason
sports、つまり競技としての側面の一つに”公平性”が挙げられます。
esportsがコロナ禍で一気に勢いを増してきた大きな理由の一つに”リモートで対戦可能”という点があります。
実際に会うことなく、対戦し、その動画を配信し、コメント欄が湧く。
新しいスポーツの形としてのesportsが奇しくもこのコロナ禍の世間の状況とマッチしました。
しかし、そこで出てくる問題がこの公平性。
PS4やスイッチなどのプラットフォームが確定していれば問題ないのですが
(ここでは通信回線についての言及は避けます。)
スマートフォンの性能差やOSの違いは公平性を大きく欠く可能性が高いです。
同様にPC(esportsの主要プラットフォーム)にも性能差が現れますが、
SwitchとPCほどの性能差でプレイするなんてことはまぁないでしょう。
その上、現在の競技シーンではもう十分にPCタイトルは成熟しているため、使われるPCも高性能であることが常です。
一方でスマートフォンに目を向けると、
競技シーンでは統一した機体を用いる試みがありますが、esportsの利点である”リモート”を生かすとなると、、、、、
OSもiOSかAndroidかで大きくプレイ環境が異なる上、PCよりも遥かに広い幅で性能差があります。
これは競技化するにおいて、越えなければならない大きな問題です。
2.手軽さ故の弊害
second reason
スマホゲームは実際のところ、世界でも大人気です。
中国のesports市場を牽引しているのは、何を隠そうスマホゲームになります。
アメリカや韓国などの一大esportsの産地でも、スマホゲームはPCゲーム並み、乃至それ以上の市場を持っています。
ここで中国のesports産業の推移からスマホゲームの成長を少しだけ紹介します。
左のグラフは中国のesports市場の中でのスマホゲームの市場規模を表しており、黄色い線はその成長率推移です。
年々成長しており、その中でもスマホゲームが示す割合は非常に高いです。スマホゲームだけの売り上げで2兆円越えの規模があります。
右のグラフはその金額的な割合を示しています。
この88%を占めているのが、”ゲームの購入に基づく売り上げ”になります。
つまり、課金ですね。
これだけ見てみると
「あれ?スポーツゲームアプリでプロ行けるくね???」
と思ってしまうかもしれませんが、
その売り上げのほとんどを担っているのが、”FPSゲームである”ことには注意しなくてはいけません。
中国のモバイルゲーム市場はFPSゲームで出来ていると言って過言ではありません。
PUBGや荒野行動などのゲームは市場のオワコンしそうにありません。
スポーツゲームアプリの名前はPCゲームや家庭用ゲーム(PS系)の欄で見ないと出てきません。
そしてもう一つ問題があり、
それが、プレイヤーの定着率です。
左のグラフは中国のモバイルゲームのプレイヤーの数を表したものです。
年々増加してはいますが、この黄色い線が下がっているのがわかりますか?
ユーザー数の成長率は年々下がってきています。
その上、ユーザーの入れ替わりも激しく、市場としての安定性に欠けると言えます。
3.据え置き版の下位互換
third reason
スポーツゲームアプリの宿命と言いますか、
モバイル型であることはたくさんのメリットをくれましたが、一方で競技化することにおいては
非常に足を引っ張っている印象です。
- できる操作も少ない。
- 操作性もいまいち。
- 解像度やFPSの悪さ。
リアルスポーツを模倣したゲームである以上、操作の自由度の高さは必要不可欠です。
その自由が失われているのがこのモバイル化の弊害。
epsortsのタイトルとなるには、越えなければいけない壁ですね。
荒野行動などのFPSゲームも同様にPCゲームと比べると、クオリティは低いですが、
歴史的にみると、モバイル版が先にできています。
したがって、一概にモバイル版は劣化版との認識はありません。
一方でリアルスポーツゲームは据え置き版が先にできています。
そこの違いがあるので、なかなか同一視することができません。
したがって、どうせ大会やるなら、据え置き版でやればよくね?
というのが本音かもしれません。
4.ライセンスとクラブ問題
fourth reason
この4つ目の理由は「Winning Eleven(PES)」の話が中心になっています。
ウイイレアプリだけにある特徴として、「Jリーグライセンス」が挙げられます。
Jリーグ、それもJ2までしっかりとライセンスが持っていて、実名実顔で選手クラブが登録されているゲームは他にありません。
そういう意味では、Jクラブとしっかりと提携し、クラブ独自のesportsチームを持てば、モバイルでのプロ化
少しは道が開けるかもしれません。
しかし問題はそこにあって、
Jクラブ、それもJ2クラブに独自のesportsチームを運営するだけの資金力や運営力があるのかは疑問です。
2019年のコロナ禍突入前で持ってみても、J2クラブでesportsチームを独自で持つことができるチームは資金的にそう多くありません。
詳しく知りたい方は以下のページに飛んでみてください。
5.スポンサー参入が難しい
fifth reason
近年はたくさんの企業がこの業界に参入し、いくつかの方法で投資をしています。
- 施設投資
- 大会投資
- チーム投資
- 海外チーム投資
- (海外大会投資)
この中で、リアルスポーツゲームアプリ等に関係してくるのは、大会投資やチーム投資となりますが、
話題にすべきは、そもそもリアルスポーツゲームアプリ 業界に投資する企業がどれほどあるかということ。
現在は多種多様な企業が各esportsチームや大会に投資していますが、投資額から察するに、投資の中心はPC関連の企業。
したがって、モバイル系の会社は現在はほとんど大会投資できていません。
同じスポーツゲームなら、企業製品との関連性や、競技性の高いゲームタイトルへ投資するほうが、企業の取る択として自然。
海外だと、大手のモバイル制作企業は、ほとんどPCやモニターなどの製品も制作している企業がほとんどです。
ただ、希望もあって、
それが”携帯キャリア”です。
実際、efootball Winning Elevenの大会をスポンサードしていた企業にdocomoがあります。
つまり、携帯キャリアだけがモバイル界隈にも特筆して参入できる数少ない企業例になります。
でも数少ないことは大きな問題で、市場としての規模が大きくならない可能性も高いです。
まとめ
summery
かなりネガティブなお話でしたかねww
しかし、現実にモバイルゲームはesports界を牽引する一大産業です。
その中で、今後リアルスポーツゲームアプリがどう成長するのか。
楽しみですね。