「散った火花は種火となって」グラスワンダーとアーネストリー |ウマ娘化されていない名馬列伝-宝塚記念特集


お疲れ様です。De:Lです。

今週は競馬界の上半期を締めくくる、初夏のグランプリレース「宝塚記念」です。

出走メンバーは以下です。

今回も上半期の総決算として十二分なメンバーといっていいでしょう。

やはり注目は

グランアレグリアとともに、アーモンドアイに次ぐ新しい牝馬戦線を牽引する”クロノジェネシス”

未だ無敗で連勝街道をひた走る、大阪杯での頂上決戦覇者”レイパパレ”

今再び、菊花賞の再演”アリストテレス”

大変豪華なメンバーです!!

さて、そんな今回の宝塚記念に纏わるお話は

かつてこの宝塚記念で火花を散らしたスペシャルウィークとグラスワンダーの”子供達の”お話しです。


-ウマ娘化されていない名馬列伝-
本シリーズ記事は、ピックアップされたG1レースやハイレベルG2に過去の出走した馬たちのなかから、話題性に富んでいたり、多くのファンに知ってほしい名馬についてちょっとだけ踏み込んでお話しする記事です。なお、ここでお話しする名馬たちを選ぶ条件の一つに”ウマ娘化されていない”があります。ウマ娘で競馬を初めて知った人にもぜひ競馬について知識を増やしてほしい思いで書いています。また本記事は投げ銭式になっております。全文無料で読むことができます。もし気に入っていただけたならぜひ購入して投げ銭をお願い致します。

スペシャルウィークとグラスワンダー

specialweek & glasswonder

ウマ娘をやっている方なら、絶対知っているであろう。主人公とヒロイン?ですね!!

この二人は伝説の1998年世代のライバルですね。

その世代にはたくさんの名馬がいますが、中でもこの二人(二頭)は、

その拮抗具合や熾烈さから、特筆すべき対抗関係にあったようにも思います。

その火花散る戦いの中でも、未だに語り継がれるのが、

ウマ娘の1期のアニメでもモチーフになっていた

1999年宝塚記念です。

ちなみに、このときのレース映像を見てもらうとわかることではあるのですが、

上位2頭(グラスワンダーとスペシャルウィーク)と

3位のステイゴールドまでの着差がなんと”7馬身”

当時の日本競馬界ではこの2頭が最強の2頭と呼ばれるにふさわしいことを象徴していました。

この宝塚記念以外にも、スペシャルウィークとグラスワンダーは有馬記念でも対戦。

グランプリレースを盛り上げる、最高の戦いを披露していました。

実はこの2頭が初めて顔を合わせたのは2歳の育成調教中。当年の評判の良さトップ2として、ノーザンファームを賑やかす2頭だったそうです。

その二頭は1999年の宝塚記念と有馬記念で対戦したのち、

2000年には2頭とも引退することとなります。

火花を散らした戦いも、いつか終わりがくるもので、

当時のファンはいろいろな思いを持ったことでしょう。

しかし、その火花は種火となって、次の大きな炎を生み出すこととなりました。

彼等が引退して、10年後。。。。。


ブエナビスタとアーネストリー

buenavista & earnestly

偉大な英雄2頭が熱き戦いを繰り広げていた1999年からちょうど10年後。

父たちが火花を散らしたときと同じターフに2頭の競走馬が立っていました。

その二頭が、

グラスワンダーの息子 ”アーネストリー”

スペシャルウィークの娘 ”ブエナビスタ”

です。

2頭の五大血統表。(左アーネストリー 右ブエナビスタ)

ご覧の通り、グラスワンダーとスペシャルウィークの子供に当たります。

この2頭は父たちが引退して10年後に、どんな縁なのか、同じ宝塚記念のターフにいました。

この2頭自体は父たちとは違い、別の世代に当たります。

ブエナビスタが2008年世代、アーネストリーは2007年世代に当たります。

しかし2頭は実に、5回もの対戦をすることになります。

そんな父たちの因縁を受け継いだ2頭の熱い戦いをアーネストリー視点で見ていくことにしましょう。


父から受け継いだもの

legacy from glasswonder

こちらは今年度のJRA公式カレンダーの6月の写真。

題材は宝塚記念です。

写真はアーネストリーとグラスワンダーが並走しているようなシーンです。

ファンからすると、なんとも感慨深い写真です。

グラスワンダーの産駒で有名といいますか、

最も実績がありそうなのは、

スクリーンヒーロー(その子に種牡馬として活躍中のモーリスがいます)
と言われることが多いですが、

獲得賞金だけでいうと、実はアーネストリーが産駒ではNo.1なのです。

そんな父とよく比較されるアーネストリーですが、父とよく似た馬生を送ったように個人的には感じています。

幼い頃から期待されていたのは、グラスワンダーもアーネストリーも同様。

ともに2歳ながら、かなりきつい調教を施しても、
しっかり対応してしまう筋肉量と馬格をもった2頭で、

デビューはグラスワンダーが480kg、アーネストリーは508㎏。

その点を鑑みると、実はアーネストリーの方が期待されていたなんてことも・・・・


さらに、デビューしてから間もなく故障してしまう点もよく似ていました

グラスワンダーは1997年にデビューして、朝日杯で衝撃のパフォーマンスを披露することになるのですが、その後、翌年の毎日王冠までは故障。

アーネストリーに至っては、新馬戦から半年以上の間をあけて次のレースに臨むといったほどに、

2頭は調教師も

本当に運の無い馬。この血統はみんな足元が弱い
佐々木調教師(当時アーネストリーを担当)

と言われるほどに、血統に裏付けられた脚質不安がある2頭でした。


父と比較される日々

earnestly's agony

偉大な競走馬として、JRA賞特別賞を受賞するほどの父とよく似ていた幼少期を過ごしますが、

そんな父とは異なり、なかなかアーネストリーは大成することはできません。

3歳時は、怪我からの復帰もあり、受賞はおろか、リステッド競争にも出走できない日々を過ごします。

重賞初挑戦は4歳になってから。

初めて出走した日経賞で、2番人気に支持されるのですが、無念の4着。

その後、新潟大賞典、エプソムカップに出走しますが、大敗し、降級してしまいます。

しかし、次の下位クラスレースを快勝。改めて重賞挑戦します。

そこで一度だけ当時の主戦ジョッキーだった佐藤哲三から松岡正海に一瞬鞍替えして重賞に再挑戦します。

この鞍替わりが功を奏したのか、アルゼンチン共和国杯で重賞初連対。

その後、中日新聞杯、金鯱賞と連勝。

遂に、父から受け継いだ才能を開花させます。

覚醒したアーネストリーはその後G1戦線に名乗りを上げます。


血縁の強敵との出会い

rival came across

G1挑戦へ向けてひた走るアーネストリー。

そんな彼に一頭の牝馬が立ち塞がります。

何か特別なものを感じます。
グラスワンダー(ウマ娘)

その牝馬こそがあの父グラスワンダー生涯のライバルスペシャルウィークの娘、

ブエナビスタです。

この2010年の宝塚記念で、ブエナビスタとアーネストリーは初対戦を迎えます。

その時の宝塚記念は1番人気がブエナビスタでアーネストリーは3番人気で出走します。

しかし、勝ったのはのちに凱旋門賞を2着で走るナカヤマフェスタ

このレースでライバルと初対戦したアーネストリー。

その後のコメントでも

まだ本物ではありません。もうあとひとつガツンと来るものがあればいいですね。でも、これで秋が楽しみになりました。今日の1馬身差をどう詰めるか、これから考えていきたいと思います
佐々木調教師

父のプライドと共に

pride of glasswonder

父は史上初めてグランプリを3連覇した栗毛の怪物。

グランプリで勝つことはこの血統を持つ競走馬にとって、当然のこと。

絶対に負けてはいけない。

スペシャルウィークの娘となれば、なおさらでしょう。

前述の宝塚記念で初対戦し、合計5回の対戦をします。

その中でも最も特筆したいレースは

二度目の宝塚記念。2011年の宝塚記念と言っていいでしょう。

前走の金鯱賞が3着であったことから、人気は6番人気。

一方で父の仇ブエナビスタは1番人気。

当時のブエナビスタはヴィクトリアマイルを快勝し、海外でも連対してきたまさに絶頂期。

そんな強敵に、父のプライドとともに挑むアーネストリー。

1000m58秒台のかなり早いペースで進んだ道中、直線に入って、グラスワンダーも見せた鬼の末脚が発揮されます。

そのまま先頭に立つと、根性を見せて、ブエナビスタやエイシンフラッシュの追走を押し切って、念願の初G1勝利。

父のプライドを見せ、ブエナビスタが2着のところ、1.5馬身離して勝利。

素晴らしい勝利でした。


引退へ

retire

名馬は力を出し切ると無念の引退を迎えます。

グラスワンダーも有馬記念でスペシャルウィークを倒したのち、スペシャルウィークがいなくなった競馬界に嫌気がさしたのか

激太りし、引退まであまり活躍することなく競争馬馬生を終えます。

アーネストリーもその父に似たのか、

その後も、約2年間G1を中心に、戦い続けますが、一度も勝つことなく、引退します。

父の活躍から期待されながら、なかなか勝てず、ライバルのブエナビスタは強さと美しさを持ち合わせた名馬、

そんなアーネストリーも、最後に根性を見せました。

なにか、我々も親近感の沸くエピソードではありますが、

そのプライドを見せたアーネストリーに最後に賞賛を送ろうと思います。


まとめ

summery

いかがだったでしょうか。

さて、アーネストリーのように、根性を見せて熱い戦いを見せてくれる名馬が今年も現れてくれました。

クロノジェネシス。

皆さんもご覧になりましたか?

素晴らしい末脚でしたね。ロンシャンの直線で見たいものです。

いざ、凱旋門へ!!!



なお、宝塚記念特集以外の春のG1特集各種はnoteへアーカイブが残っています。

ぜひご覧になってください。

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